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COME AND GET IT

ULTIMATE MOBILEの譜面分解能について #IIDX

先日、iOS/Android向けアプリとしてbeatmania IIDX ULTIMATE MOBILE(以下UM)がリリースされました。

仕様についてはいろいろ気になる点があるのですが、先日書いた「もしbeatmaniaIIDXが120fpsになったら #IIDX」という記事に関連して気づいた点があるので、取り急ぎ触れさせてもらいます。


上記の記事の中で、

  • 従来のbeatmaniaIIDXのプレー中に降ってくるノーツはおそらく60fpsで生成されている
  • ノーツ生成前の大元の譜面データは60fpsよりももっと細かい分解能で正確に配置されている

という推測を述べたのですが、UMで表示される譜面はどうも従来のIIDXで見られていた60fpsの分解能ではないようです。

例えば先日の記事で確認したDIAVOLO[SPA] 70小節の48分階段は、ACでは明らかに不均等な間隔が見られましたが、UMではかなり等間隔に近い配置で表示されています。
(下の画像はGAME VIEW(自動演奏)のものですが、GAME PLAY(通常プレー)の場合も同様でした)

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DIAVOLO SPA 70小節 UM

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DIAVOLO SPA 70小節 AC

AC画像 引用元:

https://www.youtube.com/watch?v=BAGxzeAd6ZI

https://www.youtube.com/watch?v=hOYDhDqmGq8

 

あくまで推測の域を出ませんが、UMで表示される譜面は、ACにおいて60fpsで生成される前の「大元の譜面」なのではないかと考えられます。

ACの譜面は元々60fpsなりで作成されていて、それをUM用に綺麗に再配置したのでは?と思われるかもしれませんが、「もしbeatmaniaIIDXが120fpsになったら #IIDX」で言及したように、上のACの2つの画像においてノーツ間隔の狭い位置が異なることから、ACにおいても大元の譜面はもっと細かい分解能で作成されていると思われます。

逆に言えば、上のUMの譜面画像は「ACにおいて60fpsより細かい分解能を持つ大元の譜面データが存在しているのでは?」という推測の確証を深めるものになっていると思います。

(UM用に再配置したのでは?という考えに対しては、せっかくデータ流用できるものに対してわざわざ工数をかけて再配置の作業をする意味は薄いだろう、という視点の反論もあります)

 

なお、UMで表示される譜面に対して「かなり等間隔に近い配置」という表現をしたのは、詳細に画像を確認するとわずかに間隔の異なる箇所があるためです。

これについてはまだ詳細に検証できていませんが、「大元の譜面」の分解能がms(1/1000秒)のためにms以下が丸め込まれて配置されているためではないかと推測します。

上記のUMの譜面画像(2048*2732px)の中で、70小節目のノーツ間隔は75, 78, 75, 75, 75, 78, 75, 76, 75, 78, 75, …(px) と続いていました。

75pxと76pxは描画される位置の丸め込みでブレているかもしれませんが、78pxの部分はそうではなく元々の譜面配置に由来する不均等間隔ではないかと考えます。そう考えると、76pxの部分は75pxの部分と同一間隔と見なして、「基本75px間隔のところに4ノーツに1回78pxが現れている」という譜面配置を推測することができます。

一方、この部分の本来の時間間隔を計算すると、
 60[s] ÷ 160[bpm] × { 4[分]/48[分] } = 0.03125(s) = 31.25(ms)
となるので、もしこれをms単位に丸め込むとすると、基本31ms間隔のところに4ノーツに1回32ms間隔を入れるような丸め方となります。

つまり、実際の譜面画像と推測モデル(ms配置)を比べると、ノーツ間隔の異なるノーツが現れる周期が同一で、その間隔の比率(78/75 と 32/31)も近い値となっています。なので、「msで配置されているのでは」という仮説は、少なくとも検証には値するものではないかと考えます。

 

 

ちなみに、UMのゲーム処理速度がどうなっていて、この細かい分解能の譜面がどう取り扱われているか、とかはまだよくわかりません。UMはキー音が無いようなので、従来のIIDXとは判定処理の方法が大きく異なる可能性もあると思います。

iOS/Androidのゲームアプリは普通どういう仕様なのか、など詳しい方がいたら推測が進むかもしれませんね。

 

 

以上です。

いずれにせよ、60fpsに丸め込まれていない大元の譜面データが閲覧できるのであれば、わけのわからないズレ方をしている部分など「ここは本来どうなってるはずだったんだ」的なところをいろいろ確認できそうで良いですね。

ちなみに、PS2版ソフトのトレーニングモードで確認できる譜面も既に60fpsに丸め込まれて配置されたものです。大元の譜面データと思われるものが閲覧できるのはUMが初めてではないかと思います。

 

ACは明日(というか今日)からLIGHTNING MODEL稼働開始ですね。 「もしbeatmaniaIIDXが120fpsになったら #IIDX」の答え合わせができるといいですね。